中川 理
偽装するニッポン―公共施設のディズニーランダゼイション
興味深い建築デザイン論 |
ディズニーランドが日本に持ち込んだポストモダン的な仮構世界。それは、ディズニーランドの閉鎖された環境では、それなりの統一性や総合性を形作っているように見える。
ディズニーランドの開園以降、ディズニー的なファンシーな記号は、日本の消費社会にさまざまなレヴェルで浸透していった。
しかし、それは女子学生の好む小物や文房具といった商品だけでなく、公共の施設の装飾にも現れるようになった。動物の形をした交番、果物の形をした公衆トイレや駅、地元の特産品をあしらった公衆電話ボックスなど、その現れ方はさまざまである。しかし、それは建築デザインとして幸福な形なのだろうか。それは、時に押しつけがましく、滑稽で、グロテスクな存在足りうる。ディズニーランダイゼイションとい?!??著者独自の言葉を使って、現状の問題点とその打開策を検討している。
写真による実例が豊富なだけではなく、学術的な成果もふんだんに盛りこんである力作である。