きつねと猟犬
『きつねと猟犬』は、ディズニー古参のベテラン・アーティスト“ナイン・オールド・メン”のうちの3人(フランク・トーマス、オーリー・ジョンストン、ウーリー・ライザーマン)が、のちに90年代の大ヒット作品を次々と手がけることになる当時若手だったアニメーターたちと組んだ最後の作品として、とても意義のある作品となっている。ダニエル・P・マニックスの原作をもとにしたこの映画では、仲良しのブラッドハウンドの子犬とこぎつねが、敵同士の関係に追い込まれていく。きつねのトッドと子犬のコッパーがようやく友情の硬いきずなを結びかけていたときに、コッパーの猟犬としての訓練が始まってしまう。
残念ながら映画では、どちらのキャラクターも深く掘り下げられていないので、感情移入がしにくい。スクリーンに活気が出るのは、終盤にかけて、トッドとコッパーが一緒に大きな熊と戦うところからだろう。ディズニーがこの手の野生の力をテーマにした次の作品を作るまでにこの後何年もかかっている。そして、この作品を超えるものが出てくるまでにさらに何年もかかったことだろう。『きつねと猟犬』はディズニー映画低迷期の作品のひとつと言われているが、それならばもっと良い作品がすぐに追随してしかるべきだったのではないか。(Charles Solomon, Amazon.com)
かくれた名作、ピノキオくらいお勧め |
英語のいくつかのサイトでは3つ星半程度の評価を受けていたので、それほど期待しないで見たのですが、予想に反して次をどんどん見たくなり、随所でほろりとさせられました。私の中では、「美女と野獣」や「白雪姫」よりは下ですが、「ピノキオ」位の順位に位置します。そのため4つ星をつけました。
原作の本を読まずに映画を見たのですが、ストーリーに、友情に対する教訓や、何ともいえない物悲しさが含まれている点が評価できます。またアニメーションも、動きのある愛らしい動物たちや、「美女と野獣」に劣らない迫力シーンなど、大変満足の行く出来です。
「きつねと猟犬」に足りないのは、ディズニーらしい歌による感動が、あまり得られない点でしょう。
一般の評価が少し低すぎるのではないかと考えるくらいの良い作品でした。大変お勧めです。